「どの種類のフクロウをお迎えするか」を考える時の一つの指標が「調教してフライトが可能かどうか」です。
大人気フクロウのアフリカオオコノハズクはバードショーではまず出てこない種類でしょう。
今回はアフリカオオコノハズクを通してフクロウのフライト訓練方法を紹介します。
Contents
フライト向きのフクロウの種類は中型種より大きい種類
フライトが得意なフクロウはメンフクロウ・ベンガルワシミミズクが有名です。
猛禽の種類を選ぶ時に「フライト」が重要事項ならそもそもフクロウではなく「ハリスホーク」等のタカをパートナーにした方良いです。
私が飼育しているアフリカオオコノハズクの調教は可能です。しかし、小型フクロウはフライト向きの種類ではありません。
「調教してフライトさせる」ことは「お腹を空かせてエサを取りに来させる」ことです。
つまり体重を落とさなければいけません。
小型フクロウでは身体に負担がかかります。アフリカオオコノハズクはフクロウの中でも「ぎりぎり調教可能なサイズ」なのです。
室内で数メートル飛ばす程度の調教になります。本格的なフライトを楽しみたい方向けのフクロウではありません。
アフリカオオコノハズクより小さいコキンメフクロウ等は調教してのフライトは出来ません。自由に飛ぶことは可能でも「調教」は不可能です。
フクロウの調教方法と訓練記録
生後8か月の愛鳥アフリカオオコノハズクのくるるを調教してフライトした訓練記録を公開します。
調教は大きく4ステップです。
ステップ①:据えてエサを与える
エサを与える時は飼い主の手に据えた状態にします。飼い主の手の上(ファルコングローブ)は安全だと認識させます。
約1週間程度続けます。
フクロウの調教の第一歩ですね。
普段から据えてエサを与えている方だとこの過程はクリア済みなので調教は早いです。
ステップ②:少し離れて呼ぶ
パーチから30cm程度離れたところからエサをチラつかせて呼んでみます。
グローブの上まで跳んできたらエサを与えます。
まずは近い距離からの挑戦!
じゃーんぷ!!
出典:www,youtube
近い距離で呼んだ場合は「飛ぶ」ではなく「跳ぶ」の状態。距離を延ばすと羽ばたきます。
グローブの上まで来ないのにエサを与えると、「飛ばなくてもエサがもらえる」ことを学習してしまいます。
飛びたくない派
フクロウは待ち伏せ型のハンティングをする動物で基本的に飛びたくない派です。飛ばなくてもご飯が貰えるなら飛びません。
ステップ③:体重を落とし飛距離を伸ばす
フクロウを呼んでも来ない時にはエサを与えないので徐々に体重は落ちていきます。お腹が空腹状態になるとエサに向かって飛ぶようになるので飛距離を伸ばします。
飛んでくるフクロウにビビって手は引かないように。フクロウがうまく着地出来なくなります。
緑色の便
フクロウの調教は体重を落とします。空腹状態になると緑色の便をします。調教中であるなら一般的です。
②~③ステップは1週間~2週間かからない程度で行います。長期間空腹状態だと身体に負担がかかります。
では、愛鳥くるるの訓練記録をダイジェストでどうぞ!
出典:www,youtube
フライト成功です!!
生後8か月で調教したのですが、据え不足のせいで変なトコに着地してしまいました。普段から据えて仲良くなっておくことが大切です。また、ピンセットも下向きにした方が良いです。
ステップ④:体重をもとに戻す
調教で落とした体重をもとの水準まで戻していきます。体重を戻すと飛ばなくなりますが、アフリカオオコノハズクは小型フクロウなので無理は禁物です。
栄養価の高いマウスで戻すのが◎
半年程度は休憩させた方が無難です。飛ばしたい時に再度調教するというスタンスです。
フクロウの体重管理は必須
特に小型種であるのアフリカオオコノハズクのフライトには体重管理は必須事項です。
- フライト訓練前の体重
- 食べたエサの量
- フライト距離
体重が落ち過ぎると危険なので、その場合はエサを与えないといけません。調教していない時の普段の体重を把握しておくことも重要です。
まとめ:アフリカオオコノハズクの調教
- 手に据えてエサを与える
- 少し離れたところから呼んでみる
- 体重を落としつつ飛距離を伸ばしていく
- 体重をもとに戻す
アフリカオオコノハズクを調教して室内でフライトを楽しみたいのなら短期間で調教を済ましてフライトを少し楽しんだらすぐに体重を元に戻してあげるのが無難です。
アフリカオオコノハズクは小型種なので無理は禁物です。