見た目はそっくりなのに呼び方が違うから気になりますよね。
ミミズクは「フクロウ目フクロウ科のフクロウ」です。
フクロウとミミズクの明確な違いはありませんが、少しだけ特徴があります。「フクロウ」と「ミミズク」の違いを知っていると花鳥園やフクロウカフェがより楽しくなりますよ。
Contents
フクロウとミミズクの違い
【羽角の有無で判断】羽角あり→ミミズク
頭に羽角(うかく)と呼ばれる飾り羽がある個体を「ミミズク」、ない個体を「フクロウ」と呼びます。
- 羽角あり→ミミズク
- 羽角なし→フクロウ
羽角は耳のように見えますが、耳ではなく特に機能のない飾り羽根です。羽角以外に身体的な違いはフクロウとミミズクにはありません。
【名前で判断】語尾が「ズク」→ミミズク
ミミズクと呼ばれる種類の名前(和名)には語尾が「~ズク」で終わるという特徴があります。
- アフリカオオコノハズク
- ベンガルワシミミズク
- トラフズク
中でも「~コノハズク」は小型、「~ワシミミズク」は大型の種類になります。
一方で、「フクロウ」と呼ばれる羽角のない種類は「~フクロウ」という名前が付いています。
- コキンメフクロウ
- モリフクロウ
- シロフクロウ
ただし、例外も存在
飾り羽である羽角の有無と名前の語尾でフクロウとミミズクは分けられてはいるものの、例外も存在します。
- シマフクロウ(羽角あり)
- タテジマフクロウ(羽角あり)
- アオバズク(羽角なし)
結構テキトーに名付けられているのが分かりますよね。汗
フクロウとミミズクはどちらも「フクロウ科」
フクロウは学術的に「フクロウ目」であり、さらに「メンフクロウ科」と「フクロウ科」に分類されます。フクロウとミミズクでは分けられていません。
メンフクロウ科には羽角はないので「フクロウ」と呼びます。フクロウ科には羽角のある種類とない種類がおり、羽角のある種類は「ミミズク」と呼ばれます。
- メンフクロウ科→羽角なし→フクロウ
- フクロウ科→羽角なし→フクロウ
- フクロウ科→羽角あり→ミミズク
フクロウ・ミミズクもどちらも「フクロウ目・フクロウ科」の動物なので、「フクロウ」です。
「フクロウ目」が「メンフクロウ科」と「フクロウ科」にわけられます。つまり、すべてフクロウ。
生物の分類:界→門→亜門→綱→目→科→属→種
英語ではフクロウ・ミミズクはどちらも「owl」
日本ではフクロウとミミズクという異なった単語がありますが、英語ではどちらも「owl」と区別していません。
写真のミミズクを和名と英名を確認します。
- 和名:アフリカオオコノハズク
- 英名:White faced owl
ミミズクを英語で「Horned owl」という単語はあるのですが、種類(英名)ではとくにフクロウとミミズクは分けられていません。
中国語ではフクロウ・ミミズクはどちらも「猫頭鷹」
中国では羽角のあるフクロウのシルエットから「猫頭鷹(猫头鹰)」と呼ばれます。
羽角のあるフクロウは猫頭みたいですよね!
しかし中国では、羽角の有無に限らず「猫頭鷹(猫头鹰)」。羽角のない種類であっても「猫頭鷹(猫头鹰)」と呼ばれます。
フクロウ・ミミズク問題勃発!
ミミズクはフクロウ科なので「フクロウ」と呼んでも全然問題ないのですが、羽角がある個体をフクロウと呼んでいると
と指摘されることがあります。私はミミズク指摘のことを「フクロウ・ミミズク問題」と呼んでいます。
フクロウに詳しい人は名前の付け方に例外があることを知っているので、統一して「フクロウ」と呼びます。
フクロウの飼育本・図鑑
「フクロウの飼育」と記載があっても羽角を持つ種類も載っています。コノハズクは「小型フクロウ」、ワシミミズクは「大型フクロウ」として紹介されます。
羽角をアピールしたいときはあえてミミズクと呼ぶ
フクロウもミミズクもフクロウ科で同じなのですが、羽角をアピールしたいときはあえて「ミミズク」と呼びます。
スタジオジブリでおなじみの「トトロ」を例にします。
後者の文章は違和感があります。トトロの頭にぴょこんとあるチャームポイントを無視してはいけません。
羽角は猫耳のように可愛いので、羽角を強調したいときはあえて「ミミズク」と呼ぶと良いです。
関連記事:トトロはミミズクがモデル?本名は「ミミンズク」だった!
羽角とは複数枚の羽から構成される飾り羽
羽角は複数枚から構成されていて、1枚ずつバラバラにできます。フクロウが頭をカキカキした直後や風が吹いたときにはよくバラけています。
羽角も1枚1枚、換羽します。
羽角は機能を持っていない飾り羽で、なぜ羽角がついているかは判明していません。擬態した時にうまく木に紛れるため?可愛いから?謎のひとつ。
耳ではないが「耳」と呼ばれる
耳としての機能のない羽角ですが、パッ見は耳に見えることから愛称で「耳」と呼ばれます。
フクロウの英名にも反映されています。
羽角の小さいコミミズク→Short-eared owl
羽角の長いトラフズク→Long-eared owl
警戒すると羽角は立つ
とくに機能がないとされる羽角ですが、フクロウが警戒したときにピコンと立ちます。さらに警戒すると身体の羽をすぼめて細くなります。
羽角は可愛い
「羽角の有無」も「どの種類のフクロウをお迎えするか」を決めるポイントです。頭にちょこんと生えている羽角が可愛いと根強い人気があります。
本来は羽角がない種類のフクロウの頭に抜けた羽根を挿してミミズク風にすることも飼い主の間では密かに話題だとか。羽角があっても羽根を挿すと可愛いですねー!
まとめ:羽角・名前の語尾に注目!
- 羽角があるものをミミズク、ないものをフクロウと呼ぶ
- 名前の語尾が「~ズク」はミミズク
- ただし上記には例外あり!
- ミミズクはフクロウ科なので「フクロウ」と呼んでOK
- 羽角をアピールしたいときはあえて「ミミズク」と呼ぶ
- 羽角は複数枚で構成される飾り羽
- 警戒すると羽角が立つ
- 耳じゃないけど「お耳」と呼ばれる
- 羽角って可愛いよね
フクロウとミミズクはどちらもフクロウ科なので
違うようで同じ です。
フクロウには他にもたくさんの雑学があるので、「フクロウ雑学まとめ」をぜひチェックしてくださいね。
愛鳥:くるるのコメント