フクロウならではの特徴の一つに「静かに飛べる」という特技があります。
野生のフクロウは生きているネズミや昆虫をエサとしてしており、狩りをしなければなりません。羽音を立てずに飛ぶことは狩りに役立っているんですね。
フクロウが静かに飛べる理由は身体の構造にあります。
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フクロウは羽根のギザギザ構造(セレーション)で空気を拡散する
アフリカオオコノハズクの初列風切羽
静かに飛べる最大の理由は風切羽のギザギザ構造にあります。風切羽のギザギザ構造を「セレーション(serration)」といいます。
セレーションには空気を拡散する機能がありフクロウは静かに飛べるのです。
特に初列風切羽の一番外側の羽根のセレーションが分かりやすいです。
左:次列風切羽、右:初列風切羽
また、フクロウのセレーションは新幹線(500系新幹線|屋根上のパンタグラフ)の静音対策としても応用されています。セレーションを応用したことで30%もの騒音カットに成功したそうですよ。
フクロウは体重に対して翼の面積が大きい
フクロウは体重に対して翼の占める面積が大きいので翼にかかる翼面荷重(1cm^2あたりにかかる荷重)が少ないです。
一方で翼面荷重が大きい鳥では、飛ぶために翼をたくさん動かさないといけないので羽音が大きくなります。
フクロウの種類によっても翼面荷重の大きさは異なります。
翼面荷重の例
- メンフクロウ:0.21g/cm^2
- ワシミミズク:0.71g/cm^2
最も翼面荷重が小さいメンフクロウに対して、ワシミミズクは3倍以上の翼面荷重がかかっています。
テレビ番組のフクロウ特集でメンフクロウが登場するのは翼面荷重が関係しているのかも?わざわざワシミミズクを飛ばして「羽音がしませんね、すごい!」とは特集しないような気がします。
フクロウが静かに飛べる理由まとめ
静かに飛べる理由
- 風切羽のギザギザ構造(セレーション)
- 翼面荷重が小さい
ポイント!
特殊な身体の構造でフクロウは鳥のなかで一番静かに飛ぶことができるようになったわけです。
科学者もリスペクトする身体を持っているなんて生命の神秘ですね。
愛鳥:くるるのコメント
くるる
バイオミメティクス!!
羽根の名称|初列風切羽と次列風切羽の見分け方【鳥の翼】鳥の翼に生えている風切羽(かざきりばね)は「初列風切羽」と「次列風切羽」に細分化されます。どのように名称が分かれているかを紹介します。初列は腕掌骨、次列は尺骨に接続しています。役割・枚数・大きさも異なります。読めば見分け方がまるわかり!
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