フクロウはとっても可愛くて飼いたくなってしまう存在ですよね。私もフクロウに魅了されて一緒に生活をするようになった一人です。
でもフクロウをお迎えしようと思ったときに、フクロウの飼い方についての情報が少なくて苦労したことを覚えています。
今フクロウをお迎えしたいと思っている方も情報が少なくて困っているのではないでしょうか?
これからフクロウをお迎したいという方が「情報が少なくて足踏みをする状況」になって困らないために、フクロウオーナーとなった私がフクロウの飼い方を分かりやすく紹介します!
Contents
フクロウを飼う前の心がまえ
フクロウと生活している者として、これからお迎えしたいと思っている方にこれだけは知っていて欲しい「心がまえ」をお伝えします。
「なつく」ではなく「慣れる」と心得よ
まずフクロウは犬のように人間からかまって欲しい動物ではありません。
しかしフクロウが「自分に危害を加えないから安心だ」と思えば触らせてくれます。
もし家族でフクロウをお迎えした場合、あなたには大丈夫でも家族の誰かには慣れない可能性もあります。たとえフクロウに嫌な顔をされても、片想いのつもりで可愛がる必要があります。
「ペットと一緒に遊びたい」というような思いが強いのであればフクロウはパートナーに向いていません。
エサの見た目に耐えれないなら飼うべからず
肉食動物のフクロウはエサとしてヒヨコ・マウス・ウズラを食べます。フクロウのエサは、動物の形がハッキリ分かるままの形で冷凍販売されていることがほとんどです。そして下処理したものを与えます。
加工して見た目が分からない状態で販売されている場合もありますが、欠品のリスクを考えると飼い主自身が下処理できることが望ましいです。
また、飼い主になる方だけではなくご家族の方もエサに抵抗がない方がいいです。小学生未満のお子さんがいる家庭は大丈夫でしょうか?一番動物を可愛いと思う時期ですよね。
エサ捌き体験をできるフクロウカフェも増えていますので、お迎えを決める前に試しに行ってみた方がいいです。
どうしてもエサが無理ならフクロウをペット候補から外してあげてください。
周りから理解されない
一般的に、フクロウ飼育は理解されないことがほとんどです。フクロウを飼っていることを伝えてよく思われることはあまりありません。
- 野性に返せ
- かわいそう
- 気持ち悪い
飼い主が嫌と思う言葉をたくさん言われます。そして言い返せばトラブルに発展します。
そのため、
- 聞き流す
- 穏便に話をまとめる
などトラブル回避のためのコミュニケーション能力が必要です。
私はコミュニケーション能力に自信がないので、フクロウを飼っていることはよほど親しい仲でなければ打ち明けません。
飼育方法が確立されていない
フクロウは飼育方法が確立されていない動物です。そのためショップによっても推奨する飼育方法が異なります。
フクロウをお迎えするとよりよい飼育方法を目指しての試行錯誤の日々が始まります。
飼育方法をめぐり飼い主同士でのバトルも発生しやすいので、やはりコミュニケーション能力が必要です。
フクロウのお迎え方法
心がまえはバッチリだ、それでもお迎えしたい!そう思った方は次のステップへ。具体的なお迎え方法を紹介します。
フクロウの種類と生体価格を知ろう
フクロウの種類を知ってお迎えするフクロウを決めましょう。種類を選ぶポイントは大きく3つです。
- 大きさ(小型・中型・大型)
- 羽角の有無(ミミズクorフクロウ)
- 顔!!!と性格(個体差あり)
フクロウは小型だから飼いやすいのではなく、中型種が飼いやすいといわれています。ただし1度飼うと長い付き合いになるので好きな種類をインスピレーションで決めてしまうのもあり。
フクロウは種類や流通量によっても値段幅がありますが、飼育者数が多い種類に関しては40万円前後の価格帯が多いです。
初期費用は生体価格+5万円程度は見ておきましょう。飼える種類と生体価格を一覧にしてあるので、どんな種類がどれくらいの生体価格なのか確認してくださいね。
猛禽OKの動物病院を確認しよう
フクロウを診察できる動物病院は数多くはありません。いざというときに慌てないために、自宅から行ける場所にあるか必ず確認しましょう。
ホームページでも確認できますし、猛禽を扱っている店舗なら近くの動物病院は把握しているはずなので聞いてみるといいですよ。
飼育用品をそろえよう
- パーチ(止まり木)
- アンクレット(足革)
- ジェス(足革)
- リーシュ(つなぐ紐)
- 新聞紙(ペットシート)
- ファルコングローブ
- キャリーバッグ
- エサ(ヒヨコ・マウス・ウズラ)
- エサ解凍用の容器
- ピンセット
- 保冷バッグ
- キッチンスケール(体重計)
一覧のうち「アンクレット・ジェス・リーシュ」は生体購入時にあらかじめついていることが多いです。その他の飼育用品はあらかじめ準備しておくとお迎え当日がスムーズに進みます。
パーチ・グローブは大手ショッピングモール(Amazon・楽天)で販売していないので、専門店からの購入となります。(完全に時代遅れですよねぇ…)
生体販売しているショップからお迎えしよう
フクロウなんて普通のペットショップにはいないので、どこからお迎えすれば良いか悩みますよね。具体的に猛禽の生体購入ができる有名どころを紹介します。
ショップ名 | 公式HPリンク |
---|---|
猛禽屋 | http://moukinya.ocnk.net/ |
ハンティングアニマル | http://hunting-animal.jp/ |
OWL☆WAN | http://www.owl-wan.com/ |
熱帯倶楽部 | https://www.nettai.co.jp/ |
その他 | フクロウカフェ |
猛禽類は春に雛がたくさん産まれるので、わたわたの雛からお迎えしたい方は1月~4月くらいにかけて販売店の生体状況をチェックしてください。多くの種類のフクロウを選べる時期です。
逆に5月のゴールデンウィークを過ぎると雛の流通量はガクっと少なくなります。わたわたが抜けたくらい少し成長したフクロウもゴールデンウィークを境に流通量が減るので、お迎えは多くの種類がたくさん出回る春を狙うと良いですよ。
雛が生まれる前に予約をして春にお迎えをするパターンも多いです。
格安で生体購入を狙うなら「東京レプタイルズショー」「ジャパンレプタイルズワールド」などの展示即売会イベントに行きましょう。ただし初めての猛禽を即売会イベントでお迎えすることはおすすめしません。
フクロウの飼い方
ここからは飼育方法や日々のお世話について絶対に抑えておきたいところを紹介します。
フクロウの4つの飼育方法
フクロウの飼育方法は大きくわけて4つあります。
- 放し飼い
- 半放し飼い
- ケージ飼い
- 係留飼育(足を紐でつなぐ)
どれも一長一短なので、飼い主のライフスタイルに合わせましょう。
ただし、フクロウに関する事故(誤飲・衝突・迷子)は繋いでいない時に起こります。部屋でフリーにする場合は事故が起きないように細心の注意が必要です。
フクロウオーナーに飼育方法を聞いてみました。ご参考までに。
フクロウの飼育方法を検索すると、フクロウを飼っていない人が書いた「放し飼い推奨」みたいな記事がたくさん出てくる。どちらかというとフクロウを放し飼いしている人の方が少数派だと思うけど、どうですか?
— くるる@フクロウ界のアイドル (@kururu_owl) May 21, 2018
メンテナンス(爪切り・嘴切りなど)
フクロウは「メンテナンス」とよばれるお手入れが必要です。メンテナンスの内容と頻度をまとめました。
内容 | 頻度 |
---|---|
爪切り | 毎月1回 |
嘴切り | 毎月1回 |
ジェス交換 | 半年に1回 |
アンクレット交換 | 1年に1回 |
メンテナンスをサボってしまうと
- 嘴が伸び過ぎてエサがうまく食べれない
- 足革(ジェス・アンクレット)が切れてロスト
などフクロウにとってよくないことが起きる原因になります。健康を保つためには定期的なメンテナンスが必要です。
料金はメンテナンス先によって様々。
- 当店でお迎えした個体は爪切り・嘴切り無料
- 当店でお迎えした個体は爪切り・嘴切りが安い
- 一律○○円
月々の飼育費用に関わってきますので、メンテナンス代を確認してからお迎えした方がいいです。また、自分自身で行う場合はメンテナンス方法を実践で教えてもらいましょう。
近年メンテナンス技術がないにも関わらずサービスを提供しているお店があります。健康な個体がメンテナンス先で怪我をしてしまう事故が起きているので、信頼できるショップにおまかせしましょう。
フクロウの体重測定をしよう
体重測定をして個体の平均体重を把握しておくことも大切です。同じフクロウの種類同士でも性別や個体差で身体の大きさが異なります。
その子の平均体重を把握しておけば、体調の変化に気付きやすいです。
キッチンスケールに簡易パーチや人工芝を置くなどしてフクロウ用の体重計を準備してください。
掃除の方法
トイレ掃除をする
フクロウは止まっている場所のほぼ真下にトイレを落とします。フクロウの足元に新聞紙やペットシートを敷いて糞尿をキャッチすれば足元の新聞紙を取り換えるだけで済むので意外と簡単です。
フクロウのトイレは水っぽいので、高い位置から落とされると落ちた衝撃で周りに散らかる可能性があります。
トイレ掃除に関してはフクロウを自由にしているほど大変になりますが、フクロウが定位置にいる場合はさほど大変ではありません。
最低でも朝晩2回の掃除はした方がいいです。
ペットシートは便利ですが誤飲の原因にもなります。
脂粉・羽根の掃除
トイレ掃除よりはるかに大変なのが羽根関連の掃除です。
- 抜けた羽根
- 羽根のカス(羽鞘:うしょう)
- 身体を守る粉(脂粉:しふん)
これらはとても軽いため、フクロウのいる部屋全体に舞います。カキカキしたり身ぶるいするだけで落ちて、毎日大量に生成されます。とくに換羽期は大変です。
掃除道具を苦手とするフクロウが多いため、フクロウを別室に避難させて掃除した方がいいです。
空気清浄機を設置すると、空気中に舞う目に見えない粉を綺麗にしてくれるのでおすすめです。
フクロウのエサを準備する
フクロウのエサは冷凍されたヒヨコ・マウス・ウズラです。人間が食べるお肉と同様に、流水で解凍します。
ヒヨコの卵黄やマウスの糞を取り除いたものをフクロウに与えます。
1日に1回食、2回食と意見は分かれますが、我が家は1日に1回です。
据えて信頼してもらう
フクロウを猛禽用のグローブの上に乗せることを「据え(すえ)」といいます。日々据えることでフクロウが飼い主のことを信頼してくれるようになります。
据えたまま外に出る訓練「据え回し(すえまわし)」をすると物怖じしない子に育ちます。
水浴びで清潔にする
水浴びはフクロウの清潔を保つ秘訣です。
- 桶に足がつかる程度の浅い水を入れる
- 霧吹き
2種類の方法があります。
どちらも常温の水を使います。
フクロウは羽根に脂を塗って身体を保護しているので、せっけんなどの洗剤は使ってはいけません。
寒い日であってもお湯はNGです。身体の脂を落とすせっけんも禁止です。水浴びは常温の水だけで行います。
最後に:フクロウとの生活もあと少し!
ここまで読んでいただけたら、フクロウの飼育方法についてかなり詳しくなったはずです。フクロウとの生活もあと少し。
期待で胸が膨らみますね!
フクロウ飼育は大変だと感じることも多いですが、それでも一緒に寄り添っていきたいと思えるほど魅力的な動物です。
私はフクロウと一緒に暮らせていることがとても幸せです。
次はあなたの番ですよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!